今日は最近流行りのナノ化粧品についてお話します。
ナノ化粧品とは、コラーゲンやプラセンタなどの
美容成分の分子を細かくした上で配合したものです。分子の一つ一つが非常に細かいため肌に浸透しやすく、
効果が高いというのが売り文句となっています。
ではこれが本当に高い効果をもたらすのかと言うと、
残念ながらそうではありません。
人間の皮膚の構造は、大雑把に言うと
以下のようになっています。
表皮>真皮>皮下組織表皮とは皮脂膜や角層など、
皮膚の表面に当たる部分です。
真皮は表皮の奥にある皮膚で、
ここは一度損傷を受けると治りにくい特徴があります。
よくニキビを無理やり潰していたら
跡になって治らなくなった方がいますが、
それは真皮が損傷を受けてしまったことが原因です。仮にニキビを潰しても、被害が表皮までで留まっていれば、
時間の経過と共に傷跡は消えていきます。
皮下組織は、簡単に言えば脂肪です。
この脂が普通は表皮まで出てくるのですが、
それが上手くいかないと酸化してニキビを起こします。
さて、一般的にコラーゲンやプラセンタを塗布しても
表皮(角層)によってそれらは全て弾かれます。
表皮こそ、人間の肌を守っている存在だからです。
そのためコラーゲンやプラセンタを化粧品に配合しても
無意味なのですが、この分子を細かくすると
もっと奥深くまで浸透するというのが、ナノ化粧品の理屈です。
ところが、日本には薬事法という法律があります。
これは医薬品や医薬部外品、化粧品などの
製造方法や販売方法などを定めている法律なのですが、
そこで「化粧品は表皮までしか効果を及ぼしてはならない」と
決められているのです。したがっていかにコラーゲンやプラセンタの分子を
細かくしたところで、それの浸透率は上がりません。
化粧品は表皮において皮脂膜や角層と似た
働きをすることはあっても、
真皮に作用してじかに肌荒れを治すことはできないのです。もし真皮まで浸透するような化粧品を作ったら、
違法ですから逮捕されます(笑)
よってナノ化粧品だからと言って、
他の化粧品より効果が上がることはありません。
使うのは普通の化粧品で十分です。
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